参考:金融庁「子どもの教育費を用意したい」
※本記事は掲載日時点の内容となっており、将来的に制度変更等により内容が変わる場合がございます。
新NISAを活用した子供の教育資金の準備
お子様に必要な教育資金が大学卒業までと仮定すると約20年という長い期間になります。特に教育費が大きくなる大学の学費を考えるときには長期的な視点で教育資金を貯めることが重要です。
その点、新NISAは長期投資に適した制度です。新NISAの特徴も理解した上で教育資金の準備に新NISAを利用することをおすすめします。
子供の教育資金の重要性と計画の必要性
お子様が興味を持つ習い事や、より良い教育を受けさせたいと考えると、必要な教育資金はどんどん増えていきます。文部科学省が発表している1年間でかかる子ども1人当たりの教育資金は以下のようになっています。
参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」
全て公立の場合でも576.9万円の教育資金が必要となります。
また、日本政策金融公庫が発表している教育費の実態調査では、大学の入学および在学にはこれだけの費用がかかります。
参考:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(令和3年度)」
すべて公立学校へ進学したとしても、大学を卒業するまでには子ども1人当たり約1,000万円の教育資金が必要になることがわかります。
また、これらの過去の調査結果を見ると、高校や大学など後半の教育資金は昔に比べて徐々に費用が増加しています。
このことからも、「どんな習い事をさせるのか」「どこの学校に入れるか」といった計画だけでなく、早い段階から「どのように教育資金を貯めるのか」という長期的な視点で教育資金を計画することが重要です。
新NISAの仕組みと特徴
新NISAは2024年から導入される新制度で、現行のNISA制度と同様に投資の運用益が非課税になります。最大1,800万円までの非課税投資枠を利用でき、非課税保有期間に制限はないので、長期投資に適した制度です。
上手に活用すれば、お子様の教育資金を新NISAの中だけで準備することも可能です。(※1)
新NISAでは、つみたて投資枠(現行のつみたてNISAに相当)と成長投資枠(現行の一般NISAに相当)があり、併用が可能です。両方を合わせた非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円が上限となっています。
新NISAでは投資資産を売却した場合、その分の非課税投資枠が復活し、再度最大1,800万円まで非課税で投資することができます。(※2)
そのため、お子様の教育資金が不要になった後も、ご自身の老後資金のための貯蓄など、幅広い用途に利用できます。
新NISAについて知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
関連記事:2024年に新NISA制度はなにが変わる?変更点やメリット・デメリットを解説
※1新NISAの対象年齢は18歳以上となり、18歳未満のお子様名義で新NISAの口座開設はできません。
※2ただし、年間の投資上限はあります
新NISAを将来の教育資金として活用するメリットとリスク・注意点
教育資金を貯める方法として最初に思いつくのは「学資保険」だと思います。学資保険は保険である確実性や補償はありますが、投資と比較して収益性の面では不利となる場合があります。
新NISAを教育資金作りに活用するメリットはこの収益性にあります。ただし、新NISAは投資ですのでリスクがあることを理解して利用するようにしましょう。
新NISAを活用するメリット
新NISAを利用するメリットには以下のような点が挙げられます。
・貯蓄や学資保険よりも高いリターンが期待できる
・年間最大360万円(合計1,800万円まで)の投資に対する運用益が非課税になる
・少額からでも始めることができ、積立が可能なため無理なく長期的に取り組める
・非課税保有期間は無期限であり、長期投資に適した商品も多い
最も大きなメリットは、貯蓄や学資保険よりも高いリターンが期待できる点です。特に長期投資を前提とする場合、複利効果(利子を元本に組み入れることで利子が利子を生むこと)により効率的な資産形成が期待できます。
大学までの教育資金を考える場合、貯める金額が大きくなりますから、必然的に早い段階から始めて長期的に無理なく貯めていくことが望まれます。仮に毎月3万円(年間36万円)を積立投資した場合と貯蓄で貯めた場合の結果は、以下となります。
お子様の年齢が3歳から18歳までの期間(15年後)新NISAで運用した場合と、貯蓄を比較すると約150万円の差が出ます。
※貯蓄 は元本のまま、新NISAの投資は年3%の運用益とする
新NISAを活用するリスク・注意点
新NISAを利用した場合には以下のようなリスクや注意点があることを理解しておく必要があります。
・投資であるため、損失が発生する可能性がある
・証券会社によって投資商品が多い場合があり、商品を選ぶ難しさがある
新NISAにおいても投資であるため元本保証はなく、損失が出る可能性もあります。ただし、新NISAは「長期」「分散」「積立」の投資を基本としており、損失が発生するリスクを抑えることができます。
また、証券会社によっては新NISAを利用できる投資商品が多い場合があり、どれを選ぶべきか迷う場合もあります。
尚、セゾンポケットでは長期の資産形成に適した2種類の商品を厳選しているので、リスクとリターンから好きなほうを選ぶだけで商品を決めることができます。
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新NISAでの教育資金の見通し
子どもにかける教育資金の額は、必要な教育費用の増加に伴い、全体として増加傾向にあると考えられています。特に大学に関する教育費用はさらに増加する可能性が高く、長期的な教育資金計画が必要です。
これからの教育費はどうなる?
ソニー生命保険株式会社が発表している「子どもの教育資金に関する調査2023」によれば、親の約6割以上が子ども学力や学歴は教育費によって決まると考えており、また老後の備えよりも子どもの教育費にお金を回したいと考えているそうです。
参考:ソニー生命保険株式会社「子どもの教育資金に関する調査2023」
特に都市圏では、早い段階から子どもに良い教育を受けさせようという考えもあり、少子高齢化が進む中で子どもにかける教育費は増加しています。
実際にかかる費用に目を向けると、国公立大学では大きな変化はありませんが、私立大学では学費は増加傾向です。大学の競争力を向上させるための取り組みにより今後さらに高くなる可能性もあります。
一方で地方自治体により幼児教育・保育の無償化などの少子化対策も検討されており、比較的年齢が低い段階での教育費の負担は今後減る可能性もあります。
近年では新型コロナウイルスの影響などによりオンライン教育の需要やそれを行う技術も進歩してきました。さらに親の世代ではあまりなじみがない「プログラミング教育」や「知育教育(※)」のような習い事も多様化してきています。
このような学校教育にかかる費用増や幼年期の教育ニーズの多様化により、教育費用のかけどころが変わっていくことも考えられます。
※創造力や推察力などの知的能力を育てる教育
新NISAを使って貯めた教育資金の期待できる成果
将来の教育資金を早くから長期的に貯めていくことを考えるのであれば、新NISAは非常に有効と言えるでしょう。
新NISAでは株や投資信託など様々な商品に投資することが可能ですが、基本的にはリスクが低い商品を中心に長期的に積立しながら投資することをオススメします。
また、新NISAでは、年間の投資上限(※)も大きくなり、売買をした場合でも非課税投資枠の再利用が可能であるため、余裕があるタイミングでは多めに教育資金用に投資したり、早めに現金化して資金を確保することもできます。
長期的に教育資金を増やしながら、必要に応じて資金を引き出すといった柔軟な運用ができるのも新NISAが利用しやすいポイントです。
※つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて最大360万円